便利ではないけどオーセンティックなアイテム。あるいは、洋服を着ることにおけるベースとなっているようなもの。それらを改めて考察してみることは、22SSコレクションを構成する上での大きな一つの目的となった。
フォーマルウェアが不要になる世の中において綺麗にプレスされたスラックスは、スウェットパンツに代替されているかもしれない。ジャケットを羽織るくらいならより快適なパーカーを羽織ったり、あるいはカーディガンでもいいのではないか。それでも、たとえ不便だったとしても、ジャケットに袖を通すことや、装うことの基本を構成するアイテムについて問うてみたかった。常にULTERIORの服は着用者に考えてもらえるものでありたいのである。
ヨーロッパを中心としたワークウェアから着想したジャケットやシャツが肩を並べる今コレクション。
それらはつまるところ労働者のユニフォームである。着飾ることを目的とせず、意味があって着用される洋服たちだ。意味を持ったそんな洋服たちをベースに、フレンチ由来のネイビーを生かした日本の刺し子のような素材や、古い日本家屋の屋根や畳を彷彿とさせるチェック、歪さをたずさえたストライプ柄のカディなど、目や肌で感じ取れるテクスチャーを追加して、もう一つの視座を投げかける。